○山県市伊自良湖管理規程
平成15年4月1日
告示第57号
(趣旨)
第1条 この規程は、市が管理する伊自良湖(以下「湖」という。)の維持、ゲート操作その他の管理について必要な事項を定めるものとする。
(湖の用途)
第2条 湖は、開拓地内のかんがいをその用途とする。
(湖の概要)
第3条 湖の施設の概要は、次のとおりとする。
(1) 堤体 土堰堤(センターコアータイプフィルダム)
ア 堤高 18メートル、堤頂標高 109.5メートル
イ 堤長 126メートル、堤頂幅員 6.5メートル
(2) 余水吐 鉄筋コンクリート造り
ア 溢流堰長 60メートル 堰頂標高 106メートル(F・W・L)
イ 計画洪水量 120立方メートル/秒、(100年確率)、溢流水深 1メートル
ウ 計画洪水位 標高 107メートル(H・W・L)
エ 放水路長 239.5メートル
(3) 取水施設 斜樋、操作室1棟、照明灯1基
ア 斜樋取水口 スルースバルブ7孔(φ0.30メートル)手動巻上機2連
イ 斜樋管長 24メートル 口径(φ0.50メートル)
ウ 底樋管長 19メートル 口径(φ1.50メートル)土砂吐水門1基
エ 最低水位 標高 93メートル
オ 最大放流量 1.7立方メートル/秒
(4) 貯水池
ア 集水面積 535ヘクタール、山林
イ 貯水量 54万立方メートル、満水位の標高106メートル(F・W・L)
ウ 満水面積 9.8ヘクタール、底樋の標高93メートル、水深13メートル
(管理者の設置)
第4条 湖を適正に管理するため、湖の管理責任者(以下「管理者」という。)を置く。
2 管理者は、市長が任命する。
(異例の処置)
第5条 管理者は、この規程に定めない事項を処理しようとするときは、あらかじめ市長の承認を受けなければならない。ただし、非常事態の発生により緊急に措置を要するものについては、この限りでない。
2 前項ただし書の規定により処理した場合は、事後速やかに市長に報告するとともに、その後の処置についての指示を受けなければならない。
(水位)
第6条 湖の満水位は、標高106メートルとし、管理者は、水位をこれより上昇させてはならない。
2 湖の低水位は、標高104メートルとし、補修工事その他特に必要とする場合を除き、管理者は、水位をこれより低下させてはならない。
(水位の基準)
第7条 湖の水位は、すべて斜樋に取り付けられた水位計の示度によるものとする。
(貯水)
第8条 管理者は、かんがい用水を確保するため、原則として毎年3月31日までに湖の貯水量を満水位にするものとする。
(かんがい期間)
第9条 かんがい期間は、毎年4月20日から9月13日までとする。
(かんがい用水の取水)
第10条 管理者は、かんがい期間において気象、水象及びかんがいの状況を考慮して受益地に必要な水量を湖から取水しなければならない。
2 管理者は、かんがい期間において、異常渇水等によって必要な水量を取水することが困難な場合には、市長に報告するとともに、その指示を受けて適切な措置をとらなければならない。
(計画供給量)
第11条 かんがい用水のための湖からの取水量の基準は、毎秒0.23立方メートルから0.35立方メートルまでの間とする。
(放流の制限)
第12条 湖に貯留された水は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、放流(かんがい用の取水を除く。)することができる。
(1) 第17条の規定により点検又は整備を行うとき。
(2) その他市長が特に必要と認めるとき。
(放流量)
第13条 湖から放流を行う場合の放流量は、毎秒1立方メートルを超えてはならない。
(放流の通知)
第14条 管理者は、湖から放流することによって下流の水位に著しい変動を生ずると予想されるときは、これによって生ずる危害を防止するため、関係機関(岐阜建設事務所、伊自良開拓地用水管理組合(以下「用水管理組合」という。)、山県警察署及び岐阜市)に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置を講じなければならない。
(斜樋)
第15条 斜樋ゲートは、取水の必要に応じて開扉するものとし、常に湖水面から1.5メートル以内の水深にある水を取水するように操作するものとする。
2 前項の開扉が利水計画に基づく取水の場合には、用水管理組合役員の立会いの上で操作するものとする。
(土砂吐)
第16条 土砂吐ゲートの操作は、点検整備を行うとき、又は市長が必要と認めたときに行うものとし、管理者は操作するに当たり、幹線用水路のゲートを閉じてから行うものとする。
(点検及び整備)
第17条 管理者は、堤体、斜樋ゲート(ゲートを操作するために必要な器具を含む。)を常に良好な状態に保つための点検及び整備を行い、特にゲートについては、適時試操作を行わなければならない。
(湖及びその周辺の監視)
第18条 伊自良湖管理組合は、湖及びその周辺について常に監視を行い、その維持及び保全に影響を及ぼす行為の取締り並びに危険防止に努めなければならない。
(定期修理)
第19条 市長は、堤体面の芝草について、年1回以上除草を行い、徒長を防ぎ、樹木竹等が生育しないようにするものとする。
2 市長は、斜樋及び余水吐を定期的に塗装するものとする。
(洪水警戒体制)
第20条 市長は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、洪水警戒体制をとらなければならない。
(1) 岐阜地方気象台から関係地域に対して降雨に関する注意報又は警報が発せられたとき。
(2) その他洪水が予想されるとき。
2 洪水とは、湖への流入量が毎秒10立方メートルを超える出水をいう。
(洪水警戒体制時における措置)
第21条 市長は、前条の規定により洪水警戒体制をとったときは、職員を招集してそれぞれ担当部署に配置し、次に掲げる措置をとらなければならない。
(1) 岐阜地方気象台、用水管理組合、その他の機関との連絡並びに気象、水象に関する観測及び情報の収集を密接に行うこと。
(2) 最大流入量、洪水総量、洪水継続時間及び流入量の時期的変化を予測すること。
(3) 斜樋ゲートを閉じ放流を止めること。
(洪水警戒体制の解除)
第22条 市長は、洪水警戒体制をとった場合において、気象及び水象の状況により洪水警戒の必要がなくなったと認めたときは、堤体等の異常の有無を点検し、異常を認めたときは、速やかに必要な措置をとり、その後に洪水警戒体制を解除するものとする。
(干ばつ時における措置)
第23条 管理者は、湖の貯水状況及び長期にわたる降雨量の予報等を勘案して、干ばつのおそれがあると認めたときは、原則として湖からの取水を停止し、用水管理組合の意見を聴いて取水に関する節水計画を立てた後、これにより取水を行い、著しい用水不足が生じないよう努めなければならない。
(定期観測)
第24条 管理者は、気象及び水象について、次に掲げる事項を定期的に観測し、及び記録しなければならない。
(1) 気象関係
天気、気温、湿度、降雨量、積雪量等
(2) 水象関係
水位、放流量、取水量、水温等
(湖の滞砂状況の調査)
第25条 管理者は、毎年低水位時(9月)に1回、湖の滞砂状況を調査しなければならない。洪水の直後において必要があると認めたときも、同様とする。
(堤体の調査)
第26条 管理者は、堤体の変位(沈下、移動量)、漏水量等について、調査又は観測を行わなければならない。
(管理日誌)
第27条 管理者は、湖の管理日誌を備え、次に掲げる事項について記録しなければならない。
(1) 前3条の規定による調査及び観測の結果
(2) 湖の状況及び点検整備に関する事項
(3) 緊急時における措置に関する事項
(4) ゲートの操作を行ったときは、操作の理由、操作の時刻、開度、取水量又は放流量
(5) その他湖の管理に関する事項
2 管理者は、毎月10日までに前月分の管理日誌を取りまとめ、市長にその内容を報告しなければならない。
(補則)
第28条 この規程に定めるもののほか、伊自良湖管理に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この規程は、平成15年4月1日から施行する。