○山県市有害鳥獣捕獲実施要領

平成15年5月23日

訓令甲第42号

(趣旨)

第1条 この要領は、鳥獣の管理を目的とする捕獲等のうち、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止及び軽減を図るため、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号。以下「法」という。)第9条に規定する鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等(以下「有害鳥獣捕獲」という。)の実施に関する手続について定める。

2 前項の有害鳥獣捕獲の許可は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則(平成14年環境省令第28号。以下「施行規則」という。)、岐阜県鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行細則(平成15年岐阜県規則第43号)、岐阜県事務処理の特例に関する条例(平成12年岐阜県条例第4号)及び岐阜県第11次鳥獣保護管理事業計画(平成24年3月21日岐阜県告示)に定めるもののほかこの要領による。

3 この要領中、捕獲等とは鳥獣の捕獲又は殺傷をいい、採取等とは鳥類の卵の採取又は損傷をいう。

(目的)

第2条 この要領における有害鳥獣捕獲についての基本的な考え方は次の各号に定めるものとする。

(1) 有害鳥獣捕獲は、県内の多様な地域特性の中で、鳥獣による農林水産物被害、生活環境の悪化、人身への危害若しくは植生の衰退等の自然生態系の攪乱(以下「被害」という。)が現に生じているか又はそのおそれがある場合に、その防止及び軽減を図るために行う捕獲とする。

(2) 有害鳥獣捕獲の実施に当たっては、加害鳥獣の種類、被害発生時期及び被害の実態等と当該地域の鳥獣の生息状況等を勘案し、防護又は追い払い等によっても被害等が防止できない場合に限り認めるものとする。ただし、指定管理鳥獣及び外来鳥獣についてはこの限りでなく、積極的な捕獲を推進するものとする。

(3) 捕獲許可数量は必要最小限とし、生息数が少ない鳥獣の有害鳥獣捕獲は特に慎重に扱い、捕獲に名を借りた違反の生じることのないよう注意する。ただし、指定管理鳥獣及び外来鳥獣についてはこの限りでない。

(4) 人が排出する生ゴミや収穫されない野菜、果樹等への鳥獣の依存が、被害を及ぼす個体数の増加といった被害発生の誘因となっているため、生ゴミの適正な処理、収穫しない作物を放置しないことや餌やり行為の防止等について、住民への周知徹底を図るものとする。

(5) 農林水産業の健全な発展等と鳥獣の長期にわたる安定的な維持との両立を図るため、他の管理捕獲等と相まって、所要の対策が講じられるよう努めるものとする。

(6) ツキノワグマの捕獲等については、「岐阜県ツキノワグマ管理マニュアル」に基づき適正な捕獲等に努めるものとする。

(許可に関する事務処理の区分)

第3条 この要領における許可に関する事務処理の区分は次に定めるところによる。

市長許可

1 鳥獣の管理を目的とする捕獲等のうち、生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止のため次に掲げる鳥獣の捕獲等をしようとする場合

(1) 法第2条第3項に規定する狩猟鳥獣

カワウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ヤマドリ(亜種コシジロヤマドリを除く。)、キジ、コジュケイ、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ノウサギ、ユキウサギ、タイワンリス、シマリス、ツキノワグマ、ヒグマ、アライグマ、タヌキ、キツネ、テン(亜種ツシマテンを除く。)、イタチ(オスに限る。)、シベリアイタチ(オスに限る。)、ミンク、アナグマ、ハクビシン、イノシシ、ニホンジカ、ヌートリア、ノイヌ、ノネコツキノワグマにあっては、緊急やむを得ない場合を除いて事前に岐阜地域環境室長(以下「環境室長」という。)と連絡調整を行った上で捕獲等を許可する。

(2) ダイサギ、コサギ、トビ、カワラバト(ドバト)、タイワンシロガシラ、ウソ、オナガ、ニホンザル、マングース、ノヤギ(なお、捕獲個体について飼養登録が必要な場合は、許可の前に環境室長と事前協議するものとする。)

2 航空機の安全な航行に支障を及ぼすと認められる鳥獣を飛行場の区域内において捕獲等しようとする場合

3 カルガモ、キジバト、カワラバト(ドバト)、スズメ、ハシボソガラス又はハシブトガラスの卵を生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止のため採取等をしようとする場合

環境室長許可

1 市長許可及び環境大臣許可以外の場合に、生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止のため有害鳥獣捕獲をしようとする場合

環境大臣許可

1 国指定鳥獣保護区内において有害鳥獣捕獲をしようとする場合

2 保護を特に図る必要があるとして環境大臣が定めた鳥獣の有害鳥獣捕獲をしようとする場合

3 かすみ網により有害鳥獣捕獲をしようとする場合

(捕獲方法)

第4条 この要領における捕獲方法は、次の各号に掲げるものとする。

(1) 基本事項

捕獲方法は原則として、法第9条第1項第3号、法第12条第1項第3号、法第36条及び法第38条に該当するもの以外のものとする。ただし、法第9条第1項第3号に該当するものにあっては第3号イに掲げるもの及び鳥類のわなによる捕獲等を、法第12条第1項第3号、法第36条及び法第38条にあっては必要とする許可を受けてするものを除く。

(2) 銃器によるもの

 空気銃

空気銃は、対象鳥獣を負傷させた状態で取り逃がす危険性があるため、大型獣類についてはその使用を認めない。ただし、使用する空気銃の性能及び対象鳥獣の大きさ等を考慮し、取り逃がす危険性が少ない状況において使用する場合についてはこの限りでない。

 住居集合地域等における麻酔銃猟

住居集合地域等(法第38条第2項に規定する住居集合地域等をいう。以下同じ。)において鳥獣による生活環境に係る被害の防止の目的で麻酔銃猟をしようとする者は、この要領に規定する捕獲許可のほか、岐阜県住居集合地域等における麻酔銃猟実施要領に基づき岐阜県知事の許可を受ける必要がある。

(3) わな等(銃器以外)によるもの

 わな等の設置数

従事者がその捕獲等を適正に管理できる数とする。ただし、わなによるイノシシ、ニホンジカ又はニホンザルの個人捕獲の場合は、1申請につき2個までとする。

 わなによる獣類の捕獲

(ア) はこわな

a ツキノワグマをわな捕獲することができる唯一の方法とする。

b ツキノワグマ以外の鳥獣の捕獲を目的として使用する場合において、ツキノワグマの錯誤捕獲のおそれがあると判断される場合は、特別な理由が無い限り、ツキノワグマが脱出可能な脱出口(最短幅30センチメートル以上の穴)を設けたものを使用することとする。

(イ) くくりわな

a イノシシ及びニホンジカ以外の捕獲を目的とする場合、原則として輪の直径が12センチメートル以内で、締め付け防止金具が装着されているものを使用することとする。

b イノシシ及びニホンジカの捕獲を目的とする場合、aの条件に加え、ワイヤーの直径が4ミリメートル以上で、よりもどしが装着されているものを使用することとする。

c 前a及びbにおいて制限する輪の直径について、捕獲場所、捕獲時期及びツキノワグマの生息状況等を勘案し、錯誤捕獲のおそれが少ないと判断される場合は、これを超えることができる。

(ウ) とらばさみ

鋸歯がなく、開いた状態における内径の最大長が12センチメートルを越えないものであり、衝撃緩衝器具(ゴムパッド等)が装着されたものを使用することとする。

(エ) 錯誤捕獲の未然防止

わなの設置によりツキノワグマ等捕獲を目的としない鳥獣を誘引することがないよう、その設置場所や撒き餌の種類等に十分留意するとともに、捕獲を目的とする鳥獣の足跡が罠に入っていることを確認してからわなを作動させるなど、錯誤捕獲の未然防止に努めることとする。

(許可基準)

第5条 この要領における許可基準は、次の各号に掲げるものとする。

(1) 許可の区分(許可申請者の区分)

 団体捕獲 国、地方公共団体及び昭和54年環境庁告示第30号に規定する法人(以下「団体等」という。)が行う有害鳥獣捕獲

 国有林捕獲 森林管理署がその所管する国有林野及び苗畑において行う有害鳥獣捕獲

 個人捕獲 上記以外が行う有害鳥獣捕獲

(2) 捕獲従事者等

団体捕獲及び国有林捕獲において有害鳥獣捕獲に従事することができる者並びに個人捕獲で有害鳥獣捕獲の許可を受けることができる者(以下「捕獲従事者等」という。)は次によるものとする。また、有害鳥獣捕獲に従事する人数は許可内容に見合う必要最小限にとどめるものとする。

 団体捕獲

(ア) 団体捕獲に従事することができる者は、現に有効な狩猟免許を交付されている者であって、次のa又はbの条件を満たす者とする。

a 申請の時点又は前年度に当該申請の捕獲方法に該当する狩猟者登録を受けている。

b 当年度又は前年度に当該申請の捕獲方法に該当する有害鳥獣の捕獲に従事している。

(イ) はり網を使用するノウサギ又はユキウサギの捕獲及びわなを使用する狩猟鳥獣(ツキノワグマ、イノシシ及びニホンジカを除く。)、外来鳥獣又は一般鳥獣(ニホンザルを除く。)の捕獲については、(ア)にかかわらず、現に有効な狩猟免許を交付されている者は、団体捕獲に従事することができる。

(ウ) (イ)に掲げる捕獲以外の捕獲で、(ア)に該当する従事者の指導のもとで行うものについては、(ア)にかかわらず、現に有効な狩猟免許を交付されている者は、団体捕獲に従事することができる。ただし、当該従事者の数は、(ア)に該当する従事者の数を超えてはならない。

(エ) 銃器を使用する場合にあっては、(ア)のほか銃砲刀剣類所持等取締法上、有害鳥獣捕獲の用途に供するために銃砲の所持を許可されている者であり、かつ、狩猟者保険又は狩猟事故共済保険に加入している者であること。

(オ) わなによる捕獲に限り、当該免許を受けていない者であっても、団体等が実施する講習会に参加することにより捕獲及び安全性等に係る知識及び技術を備えていると認められる者は、補助者として従事者に加えることができる。この場合、補助者は(ア)に該当する従事者の指導のもと、わなの見回りや餌の補充等の補助作業を行うものとする。

 国有林捕獲

(ア) 国有林捕獲に従事することができる者は、当該森林管理署から依頼を受けた者で、当該申請の捕獲方法に該当する狩猟者登録を受けている者又は前年度に登録を受け、現に有効な狩猟免許を交付されている者、若しくは森林管理局(署)で開催する「鳥獣保護及び狩猟に関する研修」を過去3年以内に受けた者とする。

(イ) 前ア(イ)から(エ)までの規定は、国有林捕獲においても準用する。

 個人捕獲

個人捕獲ができる者は、被害者又は被害者から依頼を受けた者とする。ただし、イノシシ、ニホンジカ若しくはニホンザルを法定猟具又はとらばさみにより捕獲する場合にあっては、(ア)に該当する者とする。

(3) 補助者

 補助者として団体捕獲のわなによる捕獲に限り従事者に加えることができる者は、団体等が開催する講習会に参加し、次の事項について講習(括弧内は講師担当者)を受けた者に限る。

(ア) 法令講習 … 第1条に示す法令等の理解(行政担当者)

(イ) 役割講習 … 捕獲時に補助者ができる役割の理解(行政担当者)

(ウ) 実技講習 … わなの構造や安全管理に関する事項の理解(有害鳥獣捕獲従事経験のあるわな猟免許所持者)

 補助者として団体捕獲のわなによる捕獲に限り従事者に加えることができる者が有害捕獲に従事できる期間は、の講習会の受講修了日から1年後の同日までとする。

(4) 有害鳥獣捕獲の実施区域

 捕獲の実施区域は必要最小限とするが、特に被害が広域にわたっている場合又は指定管理鳥獣若しくは外来鳥獣の捕獲の場合は、その区域を含む旧町村単位とするなど必要に応じて設定することとする。なお、個人捕獲については鳥獣保護区及び休猟区を除いた区域とするが、イノシシ、ニホンジカ、ニホンザル又は外来鳥獣を捕獲する場合は、実施可能とする。

 特定猟具(銃)使用禁止区域内で銃猟によらなくても鳥獣の捕獲等の目的が達せられる場合又は特定猟具(銃)使用禁止区域内における銃猟に伴う危険の予防若しくは法第9条第3項第4号に規定する指定地域(施行規則第7条第4項の規定により社寺境内及び墓地をいう。)の静穏の保持に支障を及ぼすおそれがある場合は特別な理由がある場合を除いて銃猟の許可はしないものとする。

 鉛製銃弾を対象とした指定猟法禁止区域においては、禁止された鉛製銃弾は使用しないものとする。ただし、法第15条に基づく許可を受けて当該許可に係る捕獲等をする場合はこの限りでない。

(5) 申請1件当たりの許可数量

次の表に定める数(頭・羽・個)を捕獲許可数量の上限とする。

区分

団体捕獲、国有林捕獲

個人捕獲

鳥類(羽)

スズメ

特に定めない

10

カラス、カワラバト(ドバト)、ムクドリ

各 200

各 10

ヒヨドリ

各 100

各 10

カワウ

特に定めない

特に定めない

その他

各 50

各 5

鳥類の卵(個)

特に定めない

特に定めない

獣類(頭)

ノウサギ、ユウキウサギ

各 100

各 10

イノシシ、ニホンジカ

特に定めない

各 10

ツキノワグマ

3

認めない

ニホンザル

20

2

リス

10

2

アライグマ、ヌートリア、ハクビシン、タイワンリス、シベリアイタチ、ノイヌ、ノネコ、ネズミ、モグラ

特に定めない

特に定めない

その他

各 2

各 2

ネズミのうちドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミは法の適用除外で、許可を要しない。また、上記3種以外のネズミ及びモグラは、農業又は林業の事業活動に伴う場合にあっては許可を要しない。

(6) 許可の期間

 許可の期間は次に定める期間の範囲内で、原則として被害の期間内とし、許可数量を捕獲するに見合う期間とする。

区分

団体捕獲、国有林捕獲

個人捕獲

銃器

カラス、カワラバト(ドバト)

90日以内

認めない

カワウ

365日以内

その他の鳥類

30日以内

ニホンザル、イノシシ、ニホンジカ

90日以内

その他の獣類

30日以内

わな

カラス、カワラバト(ドバト)

180日以内

カワウ

365日以内

その他の鳥類

16日以内

ニホンザル

180日以内

イノシシ、ニホンジカ

365日以内(※)

365日以内

その他の獣類

60日以内

あみ等

鳥類

16日以内

獣類

30日以内

鳥類の卵の手捕りによる採取

特に定めない

(※)イノシシ及びニホンジカのわなによる捕獲について、団体捕獲の「止めさし」に限り銃器の使用を認める。

 にかかわらず航空機の安全な航行に支障を及ぼす鳥獣の飛行場の区域の捕獲等にあっては、365日以内とする。

 次の期間は原則として許可しないものとし、捕獲等をする鳥獣の繁殖期間については、十分配慮するものとする。

(ア) 愛鳥週間の期間(5月10日から5月16日まで)

ただし、イノシシ、ニホンジカの捕獲はこの限りでない。

(イ) 狩猟期間(11月15日から2月15日まで)及びその前後各15日間

ただし、カラス、カワラバト(ドバト)、キジバト、ヒヨドリ、ムクドリ、カワウ、ニホンザル、イノシシ、ニホンジカ、アライグマ、ヌートリア、タイワンリス又はハクビンシンの有害鳥獣捕獲及び国有林野事業経営に伴うノウサギ又はユキウサギの捕獲等はこの限りでない。

(ウ) ガン・カモ・ハクチョウ類の生息調査日

ただし、湖沼及び河川以外での捕獲又は銃器を用いない捕獲はこの限りでない。

(7) 許可の条件等

有害鳥獣捕獲の許可に当たっての条件は、期間の限定、区域の限定、捕獲方法の限定、鳥獣の種類及び数の限定、捕獲物の処理の方法、有害鳥獣捕獲を行う区域における安全の確保・静穏の保持、有害鳥獣捕獲を行う際の周辺環境への配慮等について付するものとする。

鳥獣捕獲許可証の返納に当たっては裏面の鳥獣捕獲報告欄に所要事項の記載を要する。なお、「処置の概要」の欄には有害鳥獣捕獲をした鳥獣等に行った具体的処置の概要を下記のとおり記載させるものとする。

 有害鳥獣捕獲の方法

 生け捕りした場合はその殺処分の方法

 生きたまま他に譲渡し、又は引渡しをした場合は、その譲受け又は引き受ける者の住所及び氏名(法人にあっては、主たる事務所の所在地、名称及び代表者の氏名)及び譲渡し又は引渡しをする目的(この場合、非狩猟鳥獣を譲渡し又は引渡しをする場合は捕獲許可の前に環境室長と協議すること。)

(8) 許可基準の特例の調整

 市長は、第2号第4号第5号又は第6号ア若しくはの許可基準の運用において効果的な有害鳥獣捕獲の実施が極めて困難であると認められる相当の事由があるときは、当該許可の基準を越えて許可できるものとする。ただし、市長が事務の処理を移譲された許可について、当該許可基準の特例を設ける場合には、その適用区域及びその内容について、あらかじめ環境室長と調整を図り、当該許可基準の特例の内容等について有害鳥獣捕獲許可基準の特例の設定について(報告)(様式第1号)に記載し、環境室長あてに提出するものとする。

 市長は、の特例を設定したときは、許可基準特例台帳(様式第2号)を整備するものとする。

 の許可基準の特例は、その許可のみ有効とするものとする。

(捕獲隊の編成)

第6条 団体等の長は、適時適切な有害鳥獣捕獲が実施できるよう、あらかじめ適格な必要に応じた人数の捕獲隊を編成し、その捕獲隊員編成名簿(様式第3号)を整備するものとする。

(許可の申請)

第7条 有害鳥獣捕獲の許可を受けようとする者は、鳥獣捕獲許可申請書(様式第4号、以下「申請書」という。)に、次表に掲げる書類を添付して提出するものとする。補助者として従事者に加える者については、備考欄にその旨を記載するものとする。

申請書類に添付する書類

団体捕獲

・被害状況写真(指定管理鳥獣及び外来鳥獣の捕獲並びに予察捕獲の場合は不要)

・国有林を含む場合は当該営林署の同意書

国有林捕獲

・被害状況写真

個人捕獲

・被害者と申請者とが異なる場合は、被害者からの有害鳥獣捕獲依頼書(様式第5号)

・被害状況写真

・複数人が同一の目的で有害鳥獣捕獲に携わる場合で有害鳥獣捕獲の区域及び方法が同一の場合(申請者が企業等の団体である場合を含む。)は、鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等の申請者名簿(様式第6号)

申請書提出先

山県市役所

申請書提出日

・有害鳥獣捕獲を実施しようとする日の7日前(休日は含まない。)

(捕獲個体について、飼養登録票が必要な場合は、14日前)

申請書提出部数

1部

その他

網、わなを使用する場合にあっては、設置場所を記入した図面を添付すること。

2 団体捕獲又は国有林捕獲において捕獲許可を受けようとする者が従事者証の交付を受けようとする場合若しくは捕獲許可を受けた者が追加して従事者証の交付を受けようとする場合は、従事者証の交付申請書(様式第7号)を提出するものとする。補助者として従事者に加える者については、備考欄にその旨を記載するものとする。

(許可の事務)

第8条 市長は、申請書を受理したときは、その内容を審査するとともに、所属職員に被害の確認調査を行わせるものとする。調査を実施した職員は、有害鳥獣捕獲申請に係る調査書(様式第8号)を作成するものとする。ただし、当該申請が指定管理鳥獣若しくは外来鳥獣の捕獲等又は第11条に規定する予察捕獲に係るものである場合は、被害の確認調査及び調査書の作成は要しないものとする。

2 市長は、申請書の4「捕獲等又は採取等の区域」及び5「捕獲等又は採取等の方法」の欄を確認し、指定猟法禁止区域が含まれ、かつ、禁止している指定猟法を用いて有害鳥獣捕獲を実施しようとする場合は、申請者に対し環境室長が交付する「指定猟法許可証」の写しの提出を求め、指定猟法の許可を受けていることを確認するものとする。

3 市長は、申請書の6「捕獲等又は採取等をする個体の後の処置(殺処分の方法)」の欄を確認し、飼養登録票が必要な場合は、環境室長と「有害鳥獣捕獲許可に係る飼養登録票の交付について(協議)(様式第9号)」で協議するものとする。

4 市長は、第1項の審査、第2項の確認、第3項の協議結果及び確認調査結果に基づき、申請の内容が第5条の許可基準に照らし適正と認めたときは、法第9条の規定による捕獲許可をし、鳥獣捕獲許可証(様式第10号)及び従事者証(様式第11号)(以下「許可証等」という。)を交付するものとする。補助者として従事者に加える者については、許可証等の備考欄にその旨を記載する。

5 市長は、許可をするときに鳥獣捕獲許可台帳(様式第12号。以下「許可台帳」という。)及び有害鳥獣捕獲許可明細表(様式第13号。以下「許可明細表」という。)に記載するものとする。

6 第4項の許可は、原則として鳥獣の種類別にするものとする。

7 従事者証は、許可番号の後に枝番を付して交付するものとする。

画像

8 市長は、許可証等を交付するとき併せて腕章(様式第14号)を着用するよう指導するものとする。また、網、わなの使用を認める鳥獣捕獲許可証を交付するときは、網、わなの設置数に見合う有害鳥獣捕獲標識(様式第15号。以下「標識」という。)を設置させるものとする。

網、わなの標識については、法第9条第12項に基づき、猟具ごとに、住所、氏名、電話番号、許可年月日及び許可番号、捕獲目的及び許可有効期間を記載したものとする。ただし、ネズミ、モグラ類を捕獲する場合であって、猟具の大きさ等の理由で猟具ごとに標識を装着できない場合にあっては、猟具を設置した場所周辺に立て札等を設置する方法によることもできる。

9 市長は、許可証等を交付したとき有害鳥獣捕獲許可通知書(様式第16号)に鳥獣捕獲許可台帳の写し(網、わなを使用する場合にあっては、設置場所を記入した図面を含む。)を添えて、山県警察署長及び環境室長に通知するものとする。

10 市長は団体捕獲及び国有林捕獲の許可を受けた者が従事者を置く場合はその従事者に鳥獣捕獲事業指示書(様式第17号)により実施内容を通知するよう指導するものとする。

(有害鳥獣捕獲の実施)

第9条 有害鳥獣捕獲の許可にあたって市長は、捕獲等に伴う事故の防止に万全を期するよう指導するものとする。

(1) 団体捕獲

 団体等の長は、当該有害鳥獣捕獲が効果的に実施できるよう関係市町村、当該区域を担当する自然保護員及び有害鳥獣捕獲の区域が国有林に及ぶときは森林管理署長と連絡調整するものとする。

 団体等の長は、有害鳥獣捕獲の実施にあたっては、捕獲隊に隊長を置き、効果的な有害鳥獣捕獲を図るものとする。また、捕獲技術の習得のため、新たに狩猟免許を取得した者を捕獲隊に加える場合は、狩猟経験者を常に同行させるなど事故防止に万全を期すものとする。さらに、補助者を従事者に加える場合は、補助者がその役割を超えた捕獲行為を行うことがないよう十分指導するものとする。

 団体等の長は、被害の状況に応じ市町村を越えて共同して広域的に有害鳥獣捕獲を実施することが望ましい場合は、市長と協議し有害鳥獣捕獲の効率化を図るものとする。

(2) 国有林捕獲

 森林管理署長は、有害鳥獣捕獲を実施するにあたって必要最小限度の捕獲者を選任するとともに責任者を置くものとする。

 森林管理署長及び捕獲責任者は、捕獲計画に基づき効果的な有害鳥獣捕獲を実施するとともに、事故防止に万全を期すものとする。

 森林管理署長は有害鳥獣捕獲の捕獲区域が民有林に及ぶときは、市長に協議して実施するものとする。

(3) 個人捕獲

許可を受け捕獲をする者は、被害の実態に即し効果的な有害鳥獣捕獲を実施するとともに、事故防止に万全を期するものとする。

(4) 捕獲個体の取扱い

 はこわな等により生け捕りした捕獲個体を殺処分する場合は、できる限り苦痛を与えない方法により捕獲場所で行うものとする。

 鳥獣をはこわな等で生け捕りした場合であって、許可証等に記載した捕獲等の後の処置が、他者(従事者も含む。)に殺処分を依頼することとなっている場合は、必ず申請者(担当者を含む。)において捕獲個体が殺処分されたことを現場で確認し、死体の写真を撮り記録するよう指導するものとする。

 捕獲物の処理方法については、鳥獣捕獲許可申請書に明記させるとともに、非狩猟鳥獣の捕獲個体を生きたまま飼養又は譲渡し又は引渡しをする場合は、法令に基づき飼養登録を受けるよう指導するものとする。

 捕獲物は、原則として持ち帰ることとし、やむを得ない場合は生態系に影響を与えないように適切な方法で埋設するなど、山野に放置することなく、適正に処理するものとする。

(5) その他

 捕獲従事者は腕章を着用して有害鳥獣捕獲に従事するものとする。

 網、わなを使用する場合にあっては、標識を1張又は1個ごとに付け、適切な管理をするものとする。ただし、ネズミ、モグラ類の捕獲等の場合であって、猟具の大きさ等の理由で猟具ごとに標識を装着できない場合にあっては、猟具を設置した場所周辺に立札等を設置する方法によることもできる。

 市長は、必要に応じ所属職員を有害鳥獣捕獲に立ち会わせ、必要な調査指導をするものとする。

(許可証等の管理)

第10条 市長は、返納された許可証等を施錠できる場所に適正に保管するものとする。

2 市長は、返納された許可証等に記載のある鳥獣捕獲報告に基づき許可台帳及び許可明細表を整備するものとする。

(予察捕獲)

第11条 この要領における予察捕獲の取り扱いは、次の各号に掲げるものとする。

(1) 予察捕獲とは、有害鳥獣捕獲のうち、生息数を低下させる必要があるほど強い害性が認められ、次の条件を満たす場合に、過去の被害発生状況を客観的なデータにより調査し、被害が発生する前にあらかじめ該当種を許可を得て必要数の捕獲等又は採取等を行うことにより未然に被害を抑制することをいう。ただし、指定管理鳥獣及び外来鳥獣についてはこの限りでなく、積極的な捕獲を推進するものとする。

 同じ鳥獣が、過去3年以上同じ時期に同じ地域で激甚な被害を及ぼしている。

 上記アにより、当該年においても、同一の被害が予想され、未然に被害発生を防ぐ必要がある。

(2) 予察捕獲と定義されないもの

 現に被害が発生し、捕獲対象鳥獣の行動域を想定して、有害鳥獣捕獲の実施区域を大きくとって行う有害鳥獣捕獲

 人命等に危難が予想される場合の緊急性を要する有害鳥獣捕獲

 個体数調整など、有害鳥獣捕獲以外の目的で行う捕獲

2 予察捕獲の許可基準については、次の各号に掲げるものとする。

(1) 予察捕獲を行うことができる場合は、通常の有害鳥獣捕獲では防止できないほどの強い農林水産業又は生活環境被害が過去3年以上同じ時期に同じ地域で同じ鳥獣により発生している場合とする。

(2) 予察捕獲を行うことができる者は、地方公共団体及び昭和54年環境庁告示第30号で定める法人とする。

(3) 予察捕獲の対象種は、原則としてカラス、スズメ、ヒヨドリ、カワラバト、キジバト、ムクドリ、サギ類、カワウ、カモ類、ニホンジカ、ヌートリア、アライグマ、イノシシ、ニホンザル、ハクビシン、ノウサギ、タヌキ及びタイワンリスとする。ただし、地域的に孤立しており、地域レベルでの絶滅のおそれの高い地域個体群は対象種とできない。

(4) 予察捕獲の許可基準は第5条によるものとする。

(5) 通常の有害鳥獣捕獲許可と予察捕獲許可との関係については、予察捕獲許可と同様の鳥獣、同様の被害の発生区域、同様の被害発生時期を対象とした通常の有害鳥獣捕獲許可はできるだけ避けるものとする。

3 予察情報台帳については、次の各項に掲げるものとする。

(1) 予察情報台帳の作成

 市長は、予察捕獲を許可しようとする場合は、あらかじめ予察情報台帳(様式第18号)を作成し、予察捕獲を実施しようとする前年度の3月15日までに予察情報台帳届出書(様式第19号)により環境室長に届け出るものとする。

 市長は、予察捕獲を実施した年度の翌年度に同じ種類の鳥獣について予察捕獲を許可する場合は、新たに得られた情報等に基づいて予察情報台帳を更新し、環境室長に届け出るものとする。

 予察捕獲許可は、及びに規定する予察情報台帳に基づいて行うものとする。

(2) 予察情報台帳の作成基準

 加害鳥獣名、被害の発生時期及び被害の発生区域はそれぞれ、1種類、1期間及び1区域ごと記入するものとする。

 被害の発生時期は、特に被害がある時期としてできる限り特定するものとする。

 被害の発生区域は、できる限り特定するものとする。

 被害の量(発生実績)は少なくとも過去3年間はその被害量を把握するものとする。

(3) 予察情報台帳と予察捕獲許可との関係

 1ヶの予察情報台帳により許可できる予察捕獲許可はその年度に1回とする。

 予察情報台帳が不完全な場合は、予察捕獲許可を行うことができない。

 許可期間は、予察情報台帳の被害発生時期の前に設定するものとする。なお、被害発生時期でないと、有害鳥獣捕獲ができない場合は、この限りでない。

 被害の量(発生実績)が不明である場合は、予察捕獲許可を行うことができない。

(実績報告)

第12条 市長は、捕獲許可の捕獲実績をとりまとめ、毎月許可明細表により、環境室長に報告するものとする。ただし、次の場合においては、捕獲許可の有効期限が満了していなくても、当該捕獲許可に係る捕獲実績を環境室長に報告するものとする。

(1) 年度の捕獲実績を把握する場合 3月31日時点における捕獲実績を翌年度4月7日(閉庁日の場合は翌開庁日)までに環境室長に報告する。

(2) 年次の捕獲実績を把握する場合 12月31日時点における捕獲実績を翌年1月7日(閉庁日の場合は翌開庁日)までに環境室長に報告する。

(資料の提供)

第13条 市長は、鳥獣の保護及び管理の基礎資料とするため必要に応じ、捕獲従事者等に対して捕獲個体に関する資料又は捕獲個体の一部の提供を求めるものとする。

この要領は、公布の日から施行する。

(平成19年4月16日訓令甲第29号)

この要領は、平成19年4月16日から施行する。

(平成19年12月10日訓令甲第40号)

この要領は、公布の日から施行する。

(平成20年3月11日訓令甲第6号)

この要領は、公布の日から施行する。

(平成23年1月18日訓令甲第1号)

この要領は、公布の日から施行する。

(平成23年4月8日訓令甲第6号)

この要領は、公布の日から施行する。

(平成25年5月29日訓令甲第9号)

この要領は、公布の日から施行し、平成25年4月1日から適用する。

(平成25年9月13日訓令甲第12号)

この要領は、公布の日から施行し、平成25年9月15日から適用する。

(平成27年8月12日訓令甲第11号)

この要領は、公布の日から施行する。

(令和3年6月22日訓令甲第16号)

この訓令は、令和3年7月15日から施行する。

(令和4年3月10日訓令甲第3号)

この訓令は、令和4年4月1日から施行する。

(令和4年8月18日訓令甲第12号)

この訓令は、令和4年9月15日から施行する。

(別表1)

 

捕獲対象鳥獣

狩猟免許

狩猟者登録

その他の条件

団体捕獲

くくりわな又ははり網を利用してノウサギ、ユキウサギを捕獲

必要なし

必要なし

 

わなを利用してカラス、カワラバト(ドバト)、アライグマ、ヌートリア、ハクビシンを捕獲

上記の場合以外

必要

必要

銃器を使用する場合は、銃砲刀剣類所持等取締法の許可かつ狩猟事故共済等の加入

国有林捕獲

くくりわな又ははり網を利用してノウサギ、ユキウサギを捕獲

必要なし

必要なし

 

わなを利用してカラス、カワラバト(ドバト)、アライグマ、ヌートリア、ハクビシンを捕獲

上記の場合以外

必要

必要

銃器を使用する場合は、銃砲刀剣類所持等取締法の許可かつ狩猟事故共済等の加入

森林管理局(署)で開催する「鳥獣保護及び狩猟に関する研修会」を過去3年以内に受けた者

個人捕獲

イノシシ、サルを網又はわなにより捕獲する場合

必要

必要

銃器の使用不可

上記の場合以外

必要なし

必要なし

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山県市有害鳥獣捕獲実施要領

平成15年5月23日 訓令甲第42号

(令和4年9月15日施行)

体系情報
第9編 産業経済/第2章 農林水産/第2節
沿革情報
平成15年5月23日 訓令甲第42号
平成19年4月16日 訓令甲第29号
平成19年12月10日 訓令甲第40号
平成20年3月11日 訓令甲第6号
平成23年1月18日 訓令甲第1号
平成23年4月8日 訓令甲第6号
平成25年5月29日 訓令甲第9号
平成25年9月13日 訓令甲第12号
平成27年8月12日 訓令甲第11号
令和3年6月22日 訓令甲第16号
令和4年3月10日 訓令甲第3号
令和4年8月18日 訓令甲第12号