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喫煙は、がんや脳卒中、心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患、糖尿病、歯周病などのリスク因子にもなるほか、妊婦の喫煙は、早産や低出生体重児の出生などの誘因にもなるといわれています。
また、たばこは吸う人だけでなく、他人のたばこの煙を吸わされる人の健康も害します。受動喫煙により、低出生体重児、乳幼児突然死症候群、子どもの肺炎もリスクが高くなります。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、喫煙者、喫煙歴のある人に多い病気です。たばこの煙に含まれている有害な物質が、気管支や肺を傷つけることにより、肺胞が壊れたり、気管支に炎症が起きたりします。そうすると、症状として息切れ、咳や痰などが現れます。症状が進行すると、日常生活が困難になったり、進行すると酸素吸入が必要になったりするなど、生命に関わることがあります。また、受動喫煙によってもCOPDは発症することがあります。
COPDは、これらの症状がなく、気が付かないうちに進むこともあり、発見が遅れがちとなるため注意が必要です。これらのような症状があったときには、COPDを疑って早めに病院を受診しましょう。
たばこを別室で吸う、換気をするなどの方法では受動喫煙を防ぐことができないことが明らかになっています。そのため、受動喫煙を減らすためには、分煙ではなく、禁煙をすることが最も効果的です。周りの大切な人を守るためにも禁煙に取り組みましょう。
たばこをやめたいけれど、自分の意志だけではどうしてもやめられないという方は、医師のサポートが受けられる禁煙外来を受診してみてはいかがでしょうか。2006年4月より、一定の基準を満たす禁煙治療には保険が適用になりました。禁煙外来では、精神面の支援や禁煙補助薬による禁煙治療が受けられます。ぜひ、禁煙外来の利用を考えてみてください。