伊自良地域簡易水道事業の概要
伊自良地域水道の沿革
市の南西部に位置する伊自良地域では、昭和31年3月に平井簡易水道、昭和32年3月に掛簡易水道、他に4つの組合水道で始まり、昭和35年9月に上願簡易水道が創設されました。さらに、昭和43年には上願簡易水道と4つの組合水道および未普及地区を取り込んで南部簡易水道として統合され、昭和55年には平井、掛簡易水道と長滝地区へ区域を拡張し北部簡易水道として統合されて、平成16年3月まで、松尾稲荷神社前を水源とする南部簡易水道と平井「フラワーパークすいげん」内を水源とする北部簡易水道の二つの水道施設からみなさんへ飲料水を供給してきました。これらの水道施設は、いずれも地下水を水源として飲料水を確保していましたが、人口の大幅な増加や生活水準の向上に伴い水需要が増加し、また農業集落排水(下水道)の整備により、さらなる需要の拡大が見込まれ、当時の水道施設規模ではみなさまの水需要に十分に応えきれず、安定した飲料水の確保が困難な状況下にありました。水道水を安定的に供給するには、地下水源の井戸から取水量を大幅に増加し、配水池(高所に設置する貯水タンク)の容量を増やさなければなりません。ところが、当時の簡易水道設備は、そこまで施設を増強するだけの取水能力やスペースがありません。そこで、将来に渡り安定的に飲料水を確保するため、平成13年度に水道事業の変更認可を取得し、以前の南・北簡易水道施設に加えて、新たに水量を増補する「伊自良統合簡易水道事業」が平成14年度に始まり、平成17年度に完成しました。この事業完了を機に、南部簡易水道・北部簡易水道の区域割りを廃止し、「伊自良簡易水道」に一本化されました。以前から稼働していた旧来の施設も増強され、旧北部簡易水道の施設は「第1」、旧南部簡易水道の施設は「第2」の名称へ変更し、新たに松尾・上願に増補された浄水場や配水池は「第33」の名称で呼ばれることになりました。また、第1浄水場、第2水源地、第3浄水場の施設はすべて水道管で連結され、通常時は仕切弁により区切られていますが、緊急時には相互に水道水を融通し合うことが可能となりました。なお、現在は高富地域上水道事業の配水管とも緊急連絡管(通常は閉栓され緊急時のみ解放する配水管)により連結されて飲料水を供給しています。
伊自良簡易水道事業の現況
項目
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事業概要
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給水区域 |
伊自良地域全域
- 第1配水池からの配水場所 長滝・平井・掛の一部(伊自良川右岸地域)
- 第2配水池からの配水場所 掛の一部・松尾・上願・洞田・小倉の一部(伊自良川右岸地域)
- 第3配水池からの配水場所 小倉の一部・大森・藤倉・大門(伊自良川左岸地域)
※ 配水管はすべて繋がっています |
計画給水人口 |
3,870人 |
計画給水量 |
- 計画1日最大給水量 2,034.1m3/日
- 計画1日平均給水量 1,525.7L/日
- 計画1人1日最大給水量 525.6L/人/日
- 計画1人1日平均給水量 394.2L/人/日
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水源の種類および位置 |
- 第1水源
- 地下水(浅井戸) 1号30.0m 平井717-7
- 地下水(浅井戸) 2号32.0m 平井717-7
- 第2水源
- 地下水(浅井戸) 1号51.0m 松尾300-40
- 地下水(浅井戸) 2号60.5m 松尾300-19
- 第3水源
- 地下水(浅井戸) 1号60.0m 松尾130-3.4.5
- 地下水(浅井戸) 2号60.0m 松尾130-3.4.5
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水道水の浄水方法 |
- 第1浄水場 急速ろ過および塩素滅菌処理
- 第2水源地 取水ポンプのみ(第3浄水場で一括浄水)
- 第3浄水場 急速ろ過および塩素滅菌処理
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水道施設の内容
区分
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施設の内容
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備考
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取水施設 |
第1浄水場
浅井戸(1号)
SGP製 Ø200mm×30m Q=709m3/日
取水ポンプ(1号)
水中ポンプ Ø50mm×0.177m3/分×50m×3.7kw 浅井戸(2号)
SGP製 Ø200mm×32m Q=709m3/日
取水ポンプ(2号)
水中ポンプ Ø50mm×0.177m3/分×50m×3.7kw
第2水源地
浅井戸(1号)
SGP製 Ø250mm×51m Q=867m3/日
取水ポンプ(1号)
水中ポンプ Ø80mm×0.55m3/分×50m×7.5kw
浅井戸(2号)
SGP製 Ø300mm×60.5m Q=867m3/日
取水ポンプ(2号)
水中ポンプ Ø80mm×0.55m3/分×50m×7.5kw
管理棟 CB製 A=27.7m2
電気計装設備(受変電設備・水質計器等の設備)
自家発電装置 35KVA
中央監視データ伝送装置
第3浄水場
浅井戸(1号)
SUS製 Ø300mm×60m Q=1,210m3/日
取水ポンプ(1号)
水中ポンプ Ø80mm×0.839m3/分×50m×11.0kw
浅井戸(2号)
SUS製 Ø300mm×60m Q=1,210m3/日
取水ポンプ(2号)
水中ポンプ Ø80mm×0.839m3/分×50m×11.0kw
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第2水源地は取水施設のみの施設で、取水された原水は第3浄水場へ導水されています。 |
導水施設 |
第2水源地から第3浄水場へ
導水管
HPPE他製 Ø100mm~Ø150mm L=565m |
導水管とは、第2水源地の取水(原水)を第3浄水場へ導くための水道管のこと。
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浄水施設 |
第1浄水場
ろ過ポンプ槽(受水槽兼用)
RC製 Ve=12m3
ろ過ポンプ設備
水中ポンプ Ø50mm×0.177m3/分×15.0m×1.5kw
急速ろ過機
SS製 Ø1,8m×H4.5m×2基
処理水量 Q=255m3/日
PAC・次亜塩素・アルカリ剤注入施設
電器計装設備(受変電設備・水質計器等の設備)
自家発電装置 65KVA
浄水場管理等 CB製 A=28.6m2
排水槽 Ve=7.7m3
中央監視データ伝送装置
第3浄水場
急速ろ過機
SS製 Ø3.2m×H4.5m×3基
処理水量 Q=2,005m3/日
PAC・次亜塩素・アルカリ剤注入施設
浄水池 RC製 Ve=74.7m3
浄水場管理棟(2階建) RC製 A=80.0m2
排水槽 Ve=47.2m3
電器計装設備(受変電設備・水質計器等の設備)
自家発電装置 110KVA
中央監視データ伝送装置
山県市役所庁舎(水道課)
中央監視装置
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- 第3浄水場へ導水された第2水源地の取水
(原水)は、第3浄水場の取水(原水)とあわせて一括浄水処理され、その後第2・第3配水池へそれぞれ送水されています。
- 各浄水施設などの中央監視データ伝送装置により市役所庁舎(水道課)の中央監視装置へ、状況がリアルタイムで送信されて常時監視しています。
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送水施設 |
第1浄水場
送水ポンプ
水中ポンプ(No.1) Ø50mm×0.330m3/分×80m×7.5kw
水中ポンプ(No.2) Ø50mm×0.330m3/分×80m×7.5kw
第2水源地
送水ポンプ
水中ポンプ(No.1) Ø65mm×0.50m3/分×80m×15.0kw
水中ポンプ(No.2) Ø65mm×0.50m3/分×80m×15.0kw
第3浄水場
送水ポンプ
水中ポンプ(No.1) Ø80mm×0.755m3/分×65m×18.5kw
水中ポンプ(No.2) Ø80mm×0.755m3/分×65m×18.5kw
全域
DIP-NS他製 L=1,816m
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配水施設 |
第1配水池
RC製 Ve=148m3(高所)
RC製 Ve=54.1m3(浄水場内、浄水池兼用)
第2配水池
RC製 Ve=151m3
PC製 Ve=317m3
第3配水池
PC製 Ve=755m3
緊急遮断弁
緊急遮断弁室(地下)
電気計装設備(受変電設備・水質計器等の設備)
配水池管理棟 CB製 A=9m2
配水池管理道路 L=295m、W=3.0m
大門増圧ポンプ場
水中ポンプ(No.1) Ø50mm×0.297m3/分×58m×5.5kw
水中ポンプ(No.2) Ø50mm×0.297m3/分×58m×5.5kw
受水槽 SUS製 Ve=18m3
ポンプ制御盤
中央監視データ伝送装置
配水管(Ø75mm~150mm) L=65km
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(緊急遮断弁とは)
地震などにより水道管が破損しても自動的に配水池の飲料水を一定量確保する配水遮断弁のこと。
(配水区域)
- 第1配水池は平井の高書に設置され、長滝・平井・掛へ配水されています。
- 第2配水池は松尾地内の高所に設置され、第1配水池配水区域以外のおもに伊自良川右岸へ配水されています。
- 第3配水池は上願地内の高所に設置され、第1配水池配水区域以外のおもに伊自良川左岸へ配水されています。
- 配水管は、小倉~七日市間と大森~高田で緊急連絡管(通常は閉栓され緊急時のみ解放する配水管)により高富地域上水道事業とつながっています。
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今後も、みなさんへの水道水の安定供給につとめてまいります。水道事業へのご理解とご協力をお願いします。