○山県市土地開発事業指導要綱

平成15年4月1日

告示第69号

(目的)

第1条 この要綱は、市内において行われる土地開発事業に関し一定の基準を定めることにより、適正な指導の下に生活環境の整備及び保全を図り、もって秩序あるまちづくりを進めることを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 土地開発事業 一団の土地について行う区画形質の変更に関する事業をいう。

(2) 開発区域 土地開発事業を行う土地の区域をいう。

(3) 公共施設 道路、公園、上水道、下水道、緑地、広場、河川、砂防施設、水路、消防の用に供する貯水施設等をいう。

(4) 事業者 土地開発事業に係る工事(以下「工事」という。)の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自ら工事を施行する者をいう。

(5) 工事施行者 工事の請負人又は請負契約によらないで自ら工事を施行する者をいう。

(適用範囲)

第3条 この要綱は、次に掲げる土地開発事業について適用する。

(1) 開発区域の面積が1,000平方メートル以上の土地開発事業

(2) その他市長が必要と認める土地開発事業

2 前項の規定にかかわらず、この要綱は、次に掲げる土地開発事業については、適用しない。

(1) 国、地方公共団体その他これらに類する団体が施行する土地開発事業

(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第12条第1項各号に規定する市街地開発事業の施行として行う土地開発事業

(3) 都市計画法第29条第1項第3号に規定する公益上必要な建築物の建築の用に供する目的で行う土地開発事業

(4) 土地改良法(昭和24年法律第195号)に規定する土地改良事業の施行として行う土地開発事業

(5) 非常災害のための必要な応急措置として行う土地開発事業

(6) その他市長が特に必要と認める土地開発事業

(事前協議)

第4条 事業者は、工事の着手前に計画事前協議申請書(様式第1号)を市長に提出し、当該土地開発事業の事業計画(以下「事業計画」という。)の内容について協議するものとする。

2 事業者は、前項の規定による事前協議を行った後において、当該事前協議に係る事業計画の内容を大きく変更しようとするときは、再度計画事前協議申請書を市長に提出し、協議するものとする。

3 市長は、前2項の規定による申請があったときは、別に定める山県市開発審査協議会(以下「協議会」という。)の意見を聴き、別表に定める開発協議の指導基準(計画)に基づいて事業計画の内容を検討し、当該事業計画が不適当であると認めるときは事業計画の変更又は事業の中止について指導し、又は要請し、適当であると認めるときは次条に定める開発協議を行うよう事業者に対し、様式第2号により通知するものとする。

(開発協議)

第5条 事業者は、前条の規定による事前協議を行った土地開発事業に係る工事を施行しようとするときは、あらかじめ、開発協議申請書(様式第3号)を市長に提出し、計画及び内容等について協議するものとする。

2 前項の規定による開発協議の申請は、当該土地開発事業について法令の規定により許可、認可等の申請又は届出等が必要である場合においては、当該申請又は届出等と同時又はそれ以前に行うものとする。

3 市長は、第1項の規定による開発協議の申請を受けたときは、協議会の意見を聴き、別表に定める開発協議の指導基準(計画)(設計)に基づいて協議の内容を検討し、当該協議の内容が適当であると認めるときは事業者に様式第4号により承認する旨を通知し、適当でないと認めるときは事業者に事業計画を変更し、又は事業を中止するよう指導し、又は要請するものとする。

4 事業者は、開発協議を行った後において、当該開発協議に係る事業計画の内容を大きく変更しようとするときは、再度前条の規定による事前協議から行うものとする。

5 事業者は、前各項の規定による協議を経て、承認を受けた土地開発事業について、2年以内に工事に着手しないときは、再度前条の規定による事前協議から行うものとする。

(協定の締結)

第6条 事業者は、土地開発事業の施行に関し必要な事項について協定の締結を市長から求められたときは、それに応じるものとする。

(関係者への周知等)

第7条 事業者は、土地開発事業の施行前に、地元関係者にその事業の内容について関係資料を提示して説明会等を行い、事業の内容の周知に努めるものとする。

2 市長は、事業者が前項の説明会等を実施したときは、当該事業者からその議事録の提出を求めることができるものとする。

3 市長は、必要があると認めるときは、事業者に対し、地元関係者又は地元関係団体の同意書又は承諾書の提出を求めることができるものとする。

4 事業者は、土地開発事業に関して地元関係者の意見を尊重するとともに、紛争が生じないよう努めるものとする。

(指導及び勧告)

第8条 市長は、土地開発事業の実施状況の把握に努め、必要があると認めるときは、事業者又は工事施行者に対し、土地開発事業が適正に施行されるよう指導又は勧告をするものとする。

2 市長は、前項の指導又は勧告をするために必要があると認めるときは、事業者又は工事施行者に対し、報告若しくは資料の提出を求め、又は関係職員をして工事の施行状況を調査するものとする。

(工事の着手)

第9条 事業者は、開発協議が成立し、かつ、法令の規定による許認可等があり、若しくは法令の規定による届出等を終了した後に工事に着手するものとする。

(工事施行上の防災措置等)

第10条 事業者及び工事施行者は、防災措置(仮施設を含む。)を本工事に先立ち実施するとともに、工事の施行に当たっては、開発区域及びその周辺の地域における円滑な交通を妨げ、排水路その他の排水施設、水路若しくは河川の排水若しくは利水に支障を及ぼし、又は土砂崩れ、土砂流出、出水、水質汚濁等の被害を及ぼすことのないように適切な措置を講じなければならない。

2 事業者及び工事施行者は、その土地開発事業に起因して公共施設、隣接地又は開発区域周辺に汚損又は被害等が生じたときは、当該事業者及び工事施行者の責任において速やかに適切な措置を講ずるものとする。

3 事業者及び工事施行者は、工事を廃止し、又は中止しようとするときは、当該工事の廃止又は中止に伴う災害の防止、自然の回復その他必要な措置を講じなければならない。

(工事の着手及び完了の届出等)

第11条 事業者は、工事に着手するときは、その旨を工事着手届(様式第5号)により市長に届け出なければならない。

2 事業者は、工事が完了したときは、工事完了届(様式第6号)を速やかに市長に提出し、確認を受けなければならない。

3 市長は、前項の届出を受理したときは、遅滞なく当該工事が第5条の規定による開発協議の内容に適合しているかどうかについて確認し、その結果を土地開発事業に係る工事完了確認書(様式第7号)により事業者に通知するものとする。

4 事業者は、前項の確認の結果、不適当な箇所があるときは、自らの負担において整備するものとする。

(工事施行者及び工事期間の変更の届出等)

第12条 事業者は、工事施行者若しくは工事期間を変更しようとするとき、工事を15日間以上中止し、若しくは中止した工事を再開しようとするとき、又は工事を廃止しようとするときは、その旨を書面(様式第8号の1又は様式第8号の2)により、あらかじめ市長に届け出なければならない。

(公共施設等の帰属)

第13条 事業者は、市長との協議に基づき市に帰属することとした公共施設等について、帰属のための必要な手続を行うものとする。

(別途協議)

第14条 第3条第2項の規定にかかわらず、同項第1号に規定する国、地方公共団体その他これらに類する団体が施行する土地開発事業については、市長が定めるところにより、別途協議を行うものとする。

(補則)

第15条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この要綱は、平成15年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この要綱の施行前に、合併前の高富町土地開発事業指導要綱(平成8年高富町告示第1号)、伊自良村土地開発に関する要綱(平成7年伊自良村告示第25号)又は美山町土地開発指導要綱(平成11年美山町告示第10号)の規定によりなされた協議、手続その他の行為は、それぞれこの要綱の相当規定によりなされた協議、手続その他の行為とみなす。

(適用範囲の特例)

3 当分の間、土地開発事業の適用範囲については、第3条第1項の規定にかかわらず、同条第1項第1号の規定中「1,000平方メートル」とあるのは、「3,000平方メートル」とする。

(平成24年1月6日告示第3号)

(施行期日)

1 この要綱は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この要綱の施行前に、改正前の山県市土地開発事業指導要綱の規定により計画事前協議申請書が提出された土地開発事業については、なお従前の例による。

(平成29年9月25日告示第107号)

(施行期日)

1 この告示は、平成30年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この告示の施行の日前に、この告示による改正前の山県市土地開発事業指導要綱の規定により計画事前協議申請書が提出された土地開発事業については、なお従前の例による。

(令和4年3月29日告示第52号)

この告示は、令和4年4月1日から施行する。

別表(第4条、第5条関係)

開発協議の指導基準(計画)

1 事業計画は、公共施設に対する適合性について技術的検討がなされ、適切な措置が講じられているものであること。

2 事業計画は、開発区域を含む周辺の地域における自然環境の保全、公害及び災害の防止並びに文化財の保護に対する具体的対策が講じられているものであること。

3 事業計画は、農林漁業、地域産業その他地域社会との調和が保たれるとともに、地域住民の福祉向上に対する貢献度の高いものであること。

4 事業計画は、給水計画について、適正かつ確実な計画を有するものであること。

5 事業計画は、土地開発事業の施行に伴い必要となる公共施設の整備について、市の財政に影響を及ぼさないよう事業者の経費負担について適切な配慮がされていること。

6 事業計画は、事業者の資力、信用及び能力並びに開発行為の妨げとなる権利を有する者の同意状況からみて実現可能性の高いものであること。

開発協議の指導基準(設計)

1 防災

① 原則として、河川等の流域は変更しないものとすること。

② 土地の区画形質の変更は、現在の地形に添った計画とし、必要最小限の土工量となるものとすること。

③ 切土及び盛土に生ずる法面は、擁壁で覆う場合を除き、できるだけこう配を緩くし、植栽、芝張り、芝種子吹付け等当該土地の地形、地質に適した工法により安定化を図るものとすること。

④ 相当量の土砂が流出するおそれが予測される場合は、下流地域における災害防止のための防災施設を設けるものとすること。

⑤ 渓流は、やむを得ない理由があり、かつ、防災上支障がない場合を除き、埋没させないものとし、渓流が他の工作物と交差する場合においても、当該渓流を暗きょとしないものとすること。

2 排水

① 排水施設は、放流先の排水能力、利水の状況その他の状況を勘案して、開発区域内の汚水及び雨水を有効かつ適切に排水できるように、下水道、排水路その他の排水施設又は河川その他の公共の水域に接続していること。また、必要に応じて、放流先の河川、水路等に流出増等の影響を与えないように、開発区域内に雨水を一時貯留するなどの調整施設を設けるものとすること。

3 自然保全

① 森林の伐採は、最小限にとどめ、土地開発事業の種別に応じ相当面積の樹林地が確保されているものであること。

② 現存する樹林地が劣少である等、所要の樹林地が確保し難い場合にあっては、その場所に適性を有する樹種を植栽する等、積極的に樹林を育成するものとすること。

③ 貴重な植物の生育地又は貴重動物の生息地があるときは、適切な保護措置をとること。

④ 建物その他構築物の位置、規模、構造及び色彩は、周辺の自然環境に調和したものとすること。

4 道路

① 道路は、開発区域外の既存の道路の機能を阻害しないものとするとともに、開発区域内に従来から地域住民の通行の用に供していた道路又は通路がある場合は、従来の慣行による地域住民の通行を確保するための道路又は通路を整備すること。

② 開発区域及びその周辺の道路の新設又は改良を行うときは、安全かつ円滑な交通に支障を及ぼさない構造とすること。

③ 幹線となる接続道路は、原則として安全かつ円滑な交通量を確保するに足りる幅員及び構造を有する公道へ接続するものとすること。

④ 道路は、原則として舗装すること。

5 用水

① 開発区域における生活用水の水源は、市の上水道及び簡易水道を原則とする。なお、上水道及び簡易水道から生活用水を求める場合は、山県市水道事業給水条例(平成15年山県市条例第139号)及び山県市水道事業給水条例施行規程(平成15年山県市水道事業管理規程第9号)並びに山県市簡易水道給水条例(平成15年山県市条例第140号)に基づいて施行すること。

② 市の上水道及び簡易水道以外から水源を求める場合は、水質が衛生上適当なものであり、かつ、当該開発区域内で消費する水量に対して十分な供給量を有するものであること。また、開発区域外の水道用水、農業用水等の利水に支障を及ぼさないものであり、かつ、水利権が明確に確保されているものであること。

③ 消防水利施設等については、開発区域及びその周辺の状況を勘案し、必要に応じて適切な措置を講ずるものとすること。

6 汚水及び廃棄物処理

① し尿その他の汚水は、地下浸透式による処理は行わないものとし、合併処理浄化槽等の適切な汚水処理設備を設置するものとする。なお、農業集落排水又は公共下水道等の区域設定がなされ、かつ、その施設設備が完備されている地域においては、それらの施設設備を使用することを原則とすること。

② 開発区域から排出される廃棄物は、原則として事業者が処理するものとし、ばい煙その他によって周囲の環境を悪化することのない位置、構造及び能力を有する処理施設を設置するものとすること。

7 公園及び緑地

① 開発区域内には、原則として適切に公園又は緑地(花壇等)を配置するとともに、道路に接する部分は良好な景観を図るため、緑化に努めるものとすること。

8 文化財

① 現に確認されている文化財は、原則として現状のまま保存することとし、その所在する区域は、開発区域としないものとする。また、その周辺において土地開発事業を行うときは、市教育委員会と協議を行い、その指導を受けるものとすること。

9 工事当初の措置

① 開発区域内における立木の伐採又は土地の区画形質の変更によって生ずる工事期間中における下流地域及び周辺地域の災害及び著しい濁水の流出を防止するための防災施設(仮施設を含む。)並びに飲料水及び農業用水等を確保するための施設(仮施設を含む。)の設置は、工事施行の当初に行うものとすること。

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山県市土地開発事業指導要綱

平成15年4月1日 告示第69号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第10編 設/第1章 都市計画
沿革情報
平成15年4月1日 告示第69号
平成24年1月6日 告示第3号
平成29年9月25日 告示第107号
令和4年3月29日 告示第52号