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【移住者】生きものと人がつながれる場所に

記事ID:0012988 更新日:2020年5月12日更新

Hさん夫婦(ネイチャーガイド&介護士)

(30代)美山地区(岐阜県(岐阜市)から移住)

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庭に生きものの痕跡がありました

1枚目

 夫「ルリビタキ、ヤマセミ、モリアオガエルなど、美山は町では出逢えない生きものたちに出逢えます。家を探していた頃、妻が県の準絶滅危惧種であるサンコウチョウを偶然見つけて、二人でびっくりしたことがあります。そんなこともあって、自然が大好きな私たちが美山を移住先に決めたのは早かったですね。昨年、大きな梁がある築94年の古民家を購入させていただきました。畑ができそうな広い庭と駐車スペース、日当たりが良く開放的な縁側があります。庭には鹿など野生動物の痕跡もあって、ネイチャーガイドの私としては、これからどんな出逢いが待っているのかワクワクしているところです」

 自然と人の温もりに惹かれて

2枚目

 妻「二人が出逢ったのは、“人口最少の町”山梨県早川町。森林率96%という厳しい環境の中で、お互いに支えあいながら一人ひとりがたくましく生きている地域です。私は神奈川出身で、地元でも介護の仕事をしていましたが、中山間地域の方々の中に入り、私自身も地域のことを教わりつつ、みなさんに寄り添ったお手伝いをしたいと願うようになり、思い切って早川町に移り住みました。夫が故郷の岐阜に戻ることになったとき、同じような地域で暮らしたいと話すと、夫も快く同意してくれました。このフクロウのポストは、大好きな早川町を離れるときに夫との共通の知り合いから餞別にいただいたものです」

築94年の古民家を兄と父が改装

3枚目

 夫「家は、大工の父と兄が改装してくれています。玄関内の趣のある精巧な建具や土間の大きな室(むろ)は残してもらいました。急な階段は、子どもでも危なくないようにと、緩やかに造り直してくれました。宮大工でもある兄は、この家を建てた昔の職人さんと一緒に家を造っている気がすると感慨深く話しています。玄関の暖簾は、伊自良の柿渋ワークショップに参加して二人で作りました。庭には畑と小さな水辺を作りたいですね。この地域は多様な生物が生息するビオトープそのもの。“雑草”とひとくくりにされてしまう植物たちですが、庭の草刈りでは、この土地の在来種たちをできるだけ残すつもりです」

村仕事を通して地域を学んでいます

4枚目

 妻「夫は土日仕事なので、自治会には主に私が参加しています。村仕事を通して教わることは多く、できるだけ早く地域に溶け込みたいですね。近所には移住者が数世帯あり、子育て中の同世代もいます。皆さん親切で、移住者の意見にも耳を傾けてくださいますし、懐の深い地域で有り難いです」

 夫「家の内と外との境界線が緩やかなのが田舎の良さだと思います。まだ引っ越してきたばかりなのでおこがましいですが、この家もご近所の方たちに立ち寄ってもらえるようなお散歩コースのひとつになれたらいいですね。そして草花や生きものについてたくさんおしゃべりできるといい。それが私たちの夢です」

(令和2年5月 掲載)