ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > やまなび > 【移住者】終活の先に楽しい出逢いが待っていた

本文

【移住者】終活の先に楽しい出逢いが待っていた

記事ID:0018533 更新日:2020年11月30日更新

Kさん夫妻(無職)
(60代) 美山地区(愛知県から移住)

トップ

幼い頃の原風景を求めて

1枚目

 夫「三重県松坂に生まれ、幼い頃には家に牛や山羊がいました。その後、街に引っ越しましたが、故郷の原風景をずっと求めていたのかもしれませんね。DIYも好きでしたから、『定年退職後は田舎暮らしがしたい』という夢が膨らんできました。最初は暖かい土地がいいなと思って、三重や静岡を探して回りましたが、帯に短し、タスキに長しで決めきれませんでした。山県市の移住ツアーに参加したのは4年前。この家は28坪くらいでこじんまりとしていて夫婦ふたりにはちょうどいい。広い空地もあるし、水の澄んだ美しい川へ降りていく道もある。ここなら自分で手を加えれば楽しく住めそうだと購入を決めました」

裏の畑でみずみずしい野菜を収穫

2枚目

 妻「1年目はまさに開拓民のようでした。雑草だらけの空地を掘り起こし、草と石を取り除き、畑を作りました。お隣の方が畑の先生で、いつも親切に教えてくださいます。
おかげさまでネギ1本欲しいときでも、車や自転車に乗る必要なく、家の裏でさっと収穫できるのは便利です。しかもみずみずしくて美味しい。引っ越す前、私は田舎暮らしには消極的でしたが、今は満喫しています。街に住んでいた頃は花粉症がひどかったのですが、ここに住み始めて症状が和らぎました。杉の木に囲まれ、花粉が目に見えるほど飛んでいるにもかかわらずです。美山は本当に空気がきれいなんですね」

公民館「男の料理教室」の講師も

3枚目

 夫「田舎は地域の付き合いが大変だと聞きますが、それほど感じていません。地元の神社で役職が回ってきたときは、地域の方たちと知り合うチャンスだと思って喜んで引き受けました。
2年目は、公民館のクラブ活動にも参加するようになりました。そこでは、以前に移住バスツアーで見学した工房や製材所の人たちとも再会して、まるで身内のように温かく迎え入れてもらえて、本当に有難かったですね。公民館のクラブ活動は多彩です。私が参加しているのは、そば道場、写真クラブ、音楽バンド。今年は、長年調理師として働いてきたのを見込まれて『男の料理教室』の講師も務めさせてもらっています」

居場所はそこに集う人がつくる

4枚目

 夫「終活の後にたどり着いた終の棲家。最期の地でこんなに楽しい仲間に出逢えるとは思っていませんでした。みんな還暦を過ぎて、地域のボランティア活動にも積極的で、それぞれが生き甲斐をもって暮らしています。根はまじめで、あったかくて、ちょっと人見知りだけど、お酒が入るとバカなことを言って底抜けに陽気。仲間がいるからこそ、ここにいてもいいと思える。街に居たら、こんな場はできなかったでしょう。来年は仲間で海釣りにも行きたい。それに向けて、魚のおろし方を料理教室でやります。お酒がますます美味しくなりそう。移住者は公民館活動にもっと参加されてはいかがでしょうか」

(令和2年11月掲載)