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【移住者】ウグイスの声を聞きながらケーキづくり

記事ID:0024090 更新日:2021年7月30日更新

Tさん夫妻(ケーキ店経営)
(70代・50代)美山地区(愛知県から移住)

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北向きに建つ工場に目が留まりました

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 夫「名古屋で長らくケーキ店をやってきましたが、30周年を節目に故郷の美山へ帰ろうと決めました。苔むすような深い木立や山々を借景に、瀟洒(しょうしゃ)なカフェをやるのが昔からの夢。その夢を叶えようと店の物件探しから始めました。美山だけでなく、関市の洞戸や板取までエリアを広げて見て回ったりもしました。けれど、気に入った物件が無い。そんなときは視点を少し変えてみることが必要ですね。ある日、いつも通り過ぎる国道沿いにほど程よい大きさの工場を見つけました。川を背にして北向き。西日が大敵であるケーキ店にはぴったりの物件です。周辺に企業や学校が点在し地の利も良い。すぐにここに決めました」

昔からの縁に助けられて改修しました

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 夫「工場の隣にある家はきれいでリフォームの必要はほとんどありませんでした。人の縁というのは不思議なものですね。物件の持ち主は名古屋在住の方で、当時の店に買いに来てくれたこともあるそうです。私たちの引っ越しの時期に合わせて、家の中の片づけを急いでやっていただけたのは本当に助かりました。さらに心強かったのは、地元でしっかりと仕事の根を張ってきた同級生や幼なじみたちの存在です。私が店を出すと聞いて、親身になって力を貸してくれました。その他にも地元の方たちに物件探しや改修工事で大変お世話になりました。店内は美山杉が使われています。今は感謝の気持ちでいっぱいです」

水でお菓子の味が一段と変わりました

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 妻「去年5月に名古屋の店を閉めて、7月に美山の物件の売買契約を結び、9月には引っ越しました。店舗の改修工事に入ったのは年が明けてから。3カ月ほどで完成しました。4月にオープンしてからは、お友達のご縁でいろんな方が買いに来てくださいます。地元の企業さんが手土産としてよくご利用してくださいますし、想像以上の反響に夫婦ともども驚いています」
夫「ウグイスの声を聞きながらケーキづくりができるなんて最高に幸せです。改めて感じるのは水の良さ。ゼリーやわらび餅の味は格段に違います。都会で30年暮らした後、故郷の温かさ、清らかさをかみしめています」

毎朝、緑の中を犬と散歩しています

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 妻「名古屋は外食や買い物の選択肢がたくさんありましたから、当初はかなり不便さを感じていました。街灯がもう少しあってもいいかな。その一方で田舎には田舎の良さがあります。何よりも空気がきれい。それにここは名古屋まで車で1時間ちょっと。たまにぶらりと名古屋を一人でドライブしています」
夫「名古屋で親しくしていたパン屋やフレンチシェフに移住を勧めています。最近は念願の犬を飼い始めました。毎朝、犬と近所を散歩するのが日課です。自然と健康になっている気がします。実はカフェの夢も捨ててはいないんですよ。人生100年時代。山県市の70歳以上のみなさんとともに頑張りたいです」

 

(令和3年7月掲載)