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【移住者】空き家問題に古物商のノウハウを活かす

記事ID:0030153 更新日:2022年6月23日更新

Kさん(自営業)
(30代) 美山地区(岐阜県から移住)

小林

キャンピングカーから持ち家へ

小林

 20代の頃、三重県の田舎で農業をしていました。その後、いったんは仕事を変えて町に移りましたが、やはり土が恋しくてたまらない。そんな頃、妹が山県市の男性と結婚をしたのをきっかけに、この土地の人たちと仲良くなりました。みんな温かい人ばかりで、次第にここで暮らしたいという思いが強くなってきました。僕はコミュニケーションが得意ではありません。町で大勢の人たちの中で暮らすよりも、できらば広々とした自然の中で暮らしたい。もともとアウトドアが好きで、キャンピングカーでキャンプばかりしていた時もあります。でも30歳を過ぎた頃、そろそろ家を持とうかなと思うようになりました。

かまどや薪ストーブのある暮らし

かまど

 空家バンクに登録して、1年間ほどは少しでも気になる物件があると足繁く見に行ったりしていました。けれど、自分が希望するような物件になかなか出会えない。正直挫折しそうになったこのもあります。でも、やっぱり諦めきれなくて、条件の優先順位を明確に決めることにしました。第一は広さ。第二は古さです。3年前に最初に購入した家は、若い夫婦が住むにはほどよい広さ。平屋でリフォームもしやすい。平成30年に屋根を改修したばかりだったので、雨漏りの心配もない。お風呂は追い炊きできる。台所にかまどもある。三重県では、かまどや薪ストーブを愛用していたので購入の決め手になりました。

田舎暮らしのお試し期間をつくりたい

小林

 移住希望者たちの交流会で「借家があったらいいのに」という話をよく耳にします。僕は三重県で田舎暮らしを体験して、薪割りや草刈りなども得意です。けれど、田舎暮らしを希望している人は、そんな人ばかりではありません。田舎暮らし未経験の人が最初から家を購入するのは少しハードルが高い。それなら、田舎暮らしをお試しできるような借家があるといい。僕に、その手伝いができないだろうか。電気やガスをあまり使わなくてすむように、貯湯式ボイラーを設備しましたが、こういう田舎暮らしのコツをみんなで共有していけたらいい。1軒では足りない。さらに美山地区に、もう1軒購入しました。

大好きな集落に借家を増やしたい

小林

 以前から古物商として市場に買い付けにいったり、インターネットで販売したりしています。これからは空き家の残留物処分の仕事をもって増やしたいですね。空き家問題で最も悩ましいのは残留物。家主と購入者どちらが負担するにしても大きな費用がかかります。けれど、古物商が買い取れるものを買い取り、処分費用から差し引けば、負担がもっと少なくなるはず。その役に立ちたい。借家を増やすために、自分にできることを少しずつ前に進めていこうと考えています。田舎を集落は家族と同じです。この大好きな地域がより住み良い地域になり、移住者がもっと増えていくといいなと願っています。

(令和4年6月掲載)