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【移住者】高台の家でパートナーと新しい生活を

記事ID:0032144 更新日:2022年9月26日更新

Fさん(自営業)
(20代) 美山地区(愛知県から移住)

深谷

世界中を巡り、価値観が変わった

深谷

 大学3年生のとき、1年間休学して世界20か国を巡る旅をしました。タイから始まり陸路でトルコまで。いろんな出会いの中で360度視界が広がったような気がしました。インドでは、奥さんが日本人、旦那さんがインド人という夫婦が経営するゲストハウスで働いたりもしました。この旅がきっかけで考え方は大きくかわりました。それまでは大人が決めたレールの上をただ進むだけでしたが、それがとてもつまらないことに思えてきました。帰国したら、コロナ禍で大学の授業はリモート。そらなら都会で下宿費を払いながら大学に通う必要はない。在学中でしたが、すぐに田舎への移住を考え始めました。

日当たりが良く、お風呂も新しい

深谷

 まだ20代なので、家の購入は考えていません。賃貸が希望でした。正直なところ、どこでも良かったんです。ネットで色々と調べました。山県市は愛知県の実家からも比較的近かったので、空家バンクに登録し、ネットに載っていた物件を見に行きました。家探しで実際の物件を見たのはその日だけです。たまたま山県市総合ボランティア・サポートサンターの担当者が「まだネットには載っていない物件が近くにあるから見てみない?」というので、見せてもらいました。それが今の家です。山あいの集落ですが、家のある場所は少し高台になっていて、南向きの家なので明るい。お風呂が新しかったのも決め手となりました。

床を張り替え、ベッドや本棚もDIYで

深谷

 2021年在学中に引っ越して、卒業論文もここで書きました。今年5月には、旅先で出会った女性と結婚しました。二人とも家財道具や服が極端に少ないので、小さな軽バンに彼女の仕事道具の横振りミシンと少しの衣類などを積んで引っ越してきました。この家は食器や電化製品などが、そのままにあって便利に使わせてもらっています。仏壇もそのままですが、今は特に気になりません。引っ越してから、自分で台所の床を張り替えベッドや本棚を作りました。高台にあるので家の中を爽やかな風が吹き抜けます。窓を開けて寝ると夏は最高に気持ちがいいですよ。とにかく空が広くて夜は満天の星空がきれいです。

自然を楽しみ、命の不思議を感じる

深谷

 彼女は観葉植物を育て始めました。窓際に小さな花瓶や植木鉢が並んでいます。知らないうちに根を生やして葉を広げる姿に命の不思議を感じています。その風景を眺めているうちに、僕も野菜が作ってみたくなりました。農園で働きながら野菜の育て方を教えてもらい、その後は自分で畑を借りてスーパーや直売場に卸していたこともあります。でも、もっと儲けようとか、効率よく育てようとか考え始めると、なんだかつまらなくなってしまう。だから今は自分たちや身近な人たちのために野菜を作っています。もうすぐ赤ちゃんが生まれます。その前に縁側の床板も張り替えたい。楽しみが広がっています。

(令和4年9月掲載)