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【移住者】蛍舞う故郷で自然とともに暮らす

記事ID:0033094 更新日:2022年11月24日更新

Tさん夫婦(会社員・自営業)
(60代・50代) 美山地区(岐阜県内から移住)

住宅

実家の隣、離れもある日当たりの良い家

夫婦

 夫)岐阜市の中心街に住んでいましたが、定年を機に生まれ育った美山に帰ろうと以前から考えていました。どこか良い物件はないかと思っていましたが、たまたまご縁があり、実家の隣りを購入することができました。南に面した母屋には広い縁側があり風通しが良い。離れが東と西に2つあります。東の離れは小さいながらもキッチンとトイレがあるので、今はここで寝泊まりしながら改築しています。庭でバーベキューをすることもあるんですよ。このあたりは蛍の名所。季節になるとたくさんの蛍もやってきます。なぜか不思議と、この土地の魅力を再発見しているところです。

仕事と野菜作りを続けながらリフォーム

改装

 妻)床板を張り替えるときに、湿気とりのために床下に炭を敷きました。その炭も自分たちで窯をつくって焼いたんですよ。竹が増えすぎて困っている人のお役にも立てましたし、粉々になった炭は畑にきました。無駄がない。それは本当に気持ちがよいことですね。天井をはがしたときに立派な梁が出てきたのもうれしかった。土壁の基礎になっている竹も美しいまま。風土にあった昔ながらの建築技術は経年劣化を感じませんね。最近改築した部屋がどこかカビくさいのと対称的です。週の前半は仕事、後半はリフォーム。さらに畑仕事も加わるのでなかなか完成しませんが、こうして一つひとつを楽しんでいます。

春にはハナモモを眺めながらバスタイム

バスルーム

 妻)なかなか完成しないので「ここは美山のサクラダ・ファミリアだね」って二人で笑っているんですよ。でも、おかげさまで念願のバスルームがようやく完成しました。畑作業の合間でも靴を履いたままトイレに行けるようにバストイレルームは自分たちでタイル張りにしました。難しく苦戦しましたが完成してみると手づくりの味わいがありますね。どんなに汚れても水で流せるのは快適です。壁は水に強いベルギー製のセメントを塗りました。春には窓から庭のハナモモの花を眺めながらバスタイム。ユニットバスは息が詰まるような気がして苦手でしたが、今はこのお風呂があるだけで毎日幸せです。

自給力を上げてたくましい種をつなぎたい

畑仕事

 妻)20代の頃、ニュージーランドの美しい海に感動し、ゴミが浮かぶ日本の海について疑問を抱きました。リンスの匂いがする日本の魚を食べてショックを受けたこともあります。その後、カメラマンとして全国各地を巡って食の生産者を取材するようになり、環境について深く考えるようになりました。今は二人で「自給力をあげていきたいね」と話しています。
 夫)畑で野菜を収穫するだけでなく、その土地にあったたくましい種をつないでいきたい。そのために種採りをしています。私が子どもの頃と比べて山の景色が変わってしまいました。豊かな山を取り戻すために何かできるかを今考えているところです。

(令和4年11月掲載)