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【移住者】自分の時間が充実すれば、仕事の質も上がる
Fさんファミリー(自営業)
(30代)美山地区(岐阜県(岐阜市)から移住)
ゆとりをつくって、暮らしを楽しむ
H(夫):「移住する1年半くらい前から物件を探していました。岐阜市内でオーガニックカフェを経営しているので、通うのに無理がない距離で。ただ、岐阜に住むならとことん田舎がいい。街の中に高価な家を買って、ローンを返すために仕事に追われる生活よりも、固定費を減らして自分の時間を持ちたい。そうすれば、心にゆとりが生まれさまざまな出逢いを楽しめる。お金に余裕ができれば趣味や旅行に回すことができるかもしれない。そんな風に考えていた矢先、一足先に山県市に移住した友人から誘われて、当時開設したばかりの空家バンク制度に登録して、物件を見て回りました。
仕事から帰れば、いつもリゾート地
H:「ここが気に入ったのは、岐阜市から車で30分もかからないのに、高山や郡上に通じるような山の景色や気候、文化が広がっているからです。空気も水もきれいでとても気持ちいい。家族と『帰ればいつも軽井沢だね』と冗談を言っています。家の前で、いつも息子とサッカーなどをして遊んでいます。竹林でタケノコを掘ったり、妻が友達と野草を摘んだり。夏にはふわりと蛍も舞い込むこともあります。ただ敷地が3反半もあるので、夏の草刈りが大変です。冬は寒いですが、雪が降っても除雪車が道をきれいにかいてくれるので、思ったほどではありません。草を刈っていると、冬が恋しくなるときがあります」
リノベーションワークショップを開催
F(妻):「夫の高校時代の友人が山県市で建設会社をしているので、協力してもらって自宅でリノベーションワークショップをしたことがあります。子どもも大人も一緒になって、漆喰を塗ったり、ペンキを塗ったり。とにかく楽しかったですね。せっかく移住するなら、地域を盛り上げていきたいという思いもあったので、たくさんの人に参加してもらえて良かったです。おかげで2階は広々とした寝室になりました。先日、息子の友達が来てくれてお泊まり会をしました。街の中では、子どもたちが騒いでいるとご近所迷惑にならないかと気になりますが、そんな心配もなく思いっきり楽しめました」
ガレージを録音スタジオに改装中
F:「住み始めてから、家のゆがみなど気になるところも出てきましたが、賃貸の家に住んでいた頃と比べると暮らしの可能性が広がって、自由度が増した感じがします」
H:「土日はカフェの営業日ですが、地元の祭りや行事には可能な限り参加しています。今、地区の班長をさせていただいています。『いつもありがとうね』と声をかけてもらったりして、地域のつながりを感じています。ライフワークの音楽をさらに充実するために、コツコツとガレージを改装中。録音スタジオにします。冬には家族で旅行。自分の時間が充実するからこそ、仕事のパフォーマンスも上がる。それを実感しているところです」
(平成31年3月 掲載)