ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > やまなび > 「舟伏の里へ おんせぇよぉ~」でおばあちゃんの手作りの味を楽しむ

本文

「舟伏の里へ おんせぇよぉ~」でおばあちゃんの手作りの味を楽しむ

記事ID:0009994 更新日:2020年3月31日更新

閉校になった小学校を活用したレストランで味わう田舎料理

料理の写真

「特製 舟伏の里 ランチ」1,300円。竹カゴのおかずはもちろん、みそ汁が衝撃のおいしさ!

閉校になった小学校を活用したレストランで味わう田舎料理

山県市の北山地区に生まれ育ったおばあちゃんたちの、伝統的な手作り料理を楽しめる「舟伏の里へ おんせぇよぉ~」は、美濃山地の北西部にそびえ、カタクリとイワザクラなどの美しい山野草で知られる舟伏山(ふなふせやま)の麓にある飲食店。平成9年に閉校した旧北山小学校(北山交流センタ−)のランチルームを利用して営業しています。

山々で採ってきた山菜や野草をいただく幸せ

学校の様子

「おんせぇよぉ~」とはこの地方の方言で「いらっしゃい」という意味。おばあちゃんたちの素朴な手作り料理を味わうと、まるで自分の田舎に帰ってきたような温もりのこもった「おんせぇよぉ~」という言葉が心に染みてくることでしょう。

「舟伏の里へ おんせぇよぉ~」のメンバーは9人で、うち料理担当の女性は8人です。年齢層は30代前半から最高齢74歳。主に70代のおばあちゃんが料理の指揮をとります。メニューは本日の主菜に5品の田舎料理の小鉢が付いた「舟伏の里 ランチ」「そばランチ」「みそ煮ランチ」(いずれも900円~)など。食材はおばあちゃんたちが自分の山で採ってきた山菜や野草、畑の野菜類、秋には里芋などが食べられます。そのほかの食材は同市内から週2回やって来る移動スーパーで入手。まさしく地元の人々の食生活をそのまま体験できるのです。

人の手によって味が変わる手作りみそ

手作りみそ

里山の桜の芽がほころびかけた3月半ばに「舟伏の里へ おんせぇよぉ~」を訪ねました。せっかくですから「舟伏の里 ランチ」にさつまいもや野草、山菜等の天ぷら、デザート、ドリンクが付いた「特製 舟伏の里 ランチ」1,300円を注文。竹カゴに収まった数々の総菜類が山里ならではの趣を感じさせてくれます。

まずはみそ汁をひと口。大げさだと思われるかも知れませんが衝撃的なひと口でした。貝や魚介類でだしをとったような奥深い風味は感動的です。ここは海から離れた山里なのに…。ホールにいたおばあちゃんに話を聞くと「貝なんて入れとりゃせんよ。私たちが作った手作りみそだでなぁ」とのお答え。北山地区の農家では現在でもみそは手作りしている家がほとんどだとか。各家によって味は異なり、年によっても異なるといいます。「作る人の手によって味が変わるで」といっておばあちゃんはほほ笑みました。

自然の恵みと手間暇を惜しまない料理

てんぷら

茶塩を付けていただく、大根の花、ふきのとう、ユキノシタなどの天ぷらも、歯ごたえたっぷりの煮豆も、その日の主菜であるコロッケも絶品ぞろい。おまけにご飯もみそ汁もお代わり自由なのです。

「昔の人は本当においしいものを食べていたんだなぁ」それが食後の正直な感想でした。食糧事情という面では昔の人々は現代をうらやましいと感じるでしょう。スーパーには食材が積み上げられ、空腹を感じればコンビニでおいしい弁当も食べられるのですから。しかし四季折々の自然の恵みをありがたくいただき、手間暇をかけて自分の手でみそを作る、そうした食材を使った料理のおいしさには、スーパーもコンビニもかなうはずがありません。

おばあちゃんたちとの会話も最高のごちそう

店内の様子

午後2時過ぎ、手のすいたおばあちゃんが昔のことや、みそ作りのことなどを、耳にやさしい方言混じりに話してくれました。方言の種類は違うけれど、亡き祖母と話しているかのようなあったかな気持ち、それが最高のデザートでした。

食後には廃校になった小学校を見学して、唯一の男性スタッフ・山口さんおすすめのカフェ、車で数分の「Phin and Bean」に立ち寄ってみることにします。こちらは2019年12月にオープンしたばかり。

山里にスタイリッシュなカフェが出現

外観

こちらの自慢は円原川の伏流水でいれたベトナムコーヒー。店主の河口さんのご両親が営んでいた雑貨店をDIYした、おしゃれなインテリアにびっくりです。そしてメニューを見てもう一度びっくり。通常のベトナムブレンドコーヒー500円のほか、リスのフンから採れた豆を使ったコン・サク900円、ジャコウネコのフンから採れた豆使用のコピ・ルアク(数量限定1,800円といった文字が目に飛び込んできました。想像すると腰が引けますが、例えばリスのフンとはいっても、ほとんどコーヒー豆しか食べていないリスのフンは消化されなかったコーヒー豆そのものなんだとか。話のタネにコン・サクに挑戦してみます。

リスのフンから採れたコーヒー豆を使って

コーヒーの写真

河口さんいわく「リスはおいしい豆を選んで食べますから、うまいのは当たり前なんです」とか。さらにリスの体内で発酵・熟成されたコーヒーの味は香り高く、深みたっぷりの味わいでした。その日2度目の感動です。

フランスの有名ガイドブックに「その料理を味わうために旅をする価値がある」というランクがありますが、「舟伏の里へ おんせぇよぉ~」のランチ、食後の「Phin and Bean」のベトナムコーヒーは、まさに三ツ星。自然が創り出す味はやはり素晴らしいのです。

舟伏の里へ おんせぇよぉ~(ふなふしのさと おんせぇよぉ~)アクセス&基本情報

学校

Tel 080-2648-8175

住所 岐阜県山県市神崎100(北山交流センター内)

交通 JR岐阜駅から車で1時間15分

時間 11~15時(14時30分LO)

休日 月~木曜

駐車場 20台

Phin and Bean(ふぃん あんど びーん)アクセス&基本情報

店内の様子

Tel 未定

住所 岐阜県山県市円原13

交通 JR岐阜駅から車で1時間20分

時間 9~17時頃(~15時頃の場合もあり)

休日 不定休

駐車場 なし(駐車スペースあり)